最速と最軽量がひとつに!ついにMADONE(マドン) Gen8の登場です!
第7世代が発売されてまだ2年弱。私(丹)も正直驚きましたが、ヨーロッパのレースで度々目撃されていた新型のバイクは実はMADONE(マドン)だったのです。
ただ今回のNewマドンは、第7世代のマドンをフルモデルチェンジさせたといった明解なアップデートではなく、最速MADONE(マドン)と最軽量EMONDA(エモンダ)を掛け合わせて1台にまとめ上げたという、これまでにない新しいオールラウンダーバイクを作り上げての発表となります。
私はMADONE(マドン)Gen7に乗っていますが、中~高速域のスピード維持が圧倒的に楽で安定的で、また伸びのある滑らかな加速も最大の特徴です。正に最速バイクに相応しいフレームです。
対してEMONDA(エモンダ)は、初速一発目の加速の鋭さや、加速と失速を繰り返す急勾配の登りが得意です。
はたしてこの2つをまとめ上げたMADONE第8世代とは、一体どのような乗り味なのでしょうか?
カタログ値はメーカーサイトなど沢山ありますので、我々は最も気になるポイント「走ってみてどうなのか?」を解説したいと思います!
それでは恒例となりつつある大森によるインプレッションです!
大森です。
私は現在、MADONE(マドン)SLR Gen7,DOMANE(ドマーネ)SLR Gen4、EMNDA(エモンダ)SLR DISC(2019) を所有しています。
またこれまでには、【MADONE(マドン)SLR Gen6、MADONE(マドン)9、MADONE(マドン)6.9SSL、EMONDA(エモンダ) SLR(2021)、 EMONDA(エモンダ) SLR※リム、DOMANE(ドマーネ) SLR Gen2等】を所有し、ガッツリ使い倒して皆様に走りの魅力をお伝えしてきました。
今回、究極の新世代フレームとして登場しました、MADONE(マドン)SLR Gen8はどの様な走りを見せるのか?!
それではインプレッションに入ります!
【登り】
平均勾配9,5%、距離約2.5㎞の登りで、パワーは300~350wラインを意識してインプレッションしました。
1.シッティング
パワー入力に対しての機敏な走りは、軽量バイクのEMONDA(エモンダ)の性能を引き継いでいるのが分かります。さすがは軽量MADONE(マドン)。
更に大きく変わったのは、EMONDA(エモンダ)よりも脚への負荷が少なく、感覚的に言うと、軽快さにだけでなく更にグングン前へ前へとスピードが伸びていってくれます。
この時の伸びは、MADONE(マドン)SLR Gen7と似た様な感覚でした。
軽快な加速に、軽やかに伸びる感覚が合わさった、無駄の無い安定した走りです。
足の疲労も少なく、明らかにフレームがしなってグイグイ伸びてくれている感覚が肌に伝わります。これ程軽快に伸びると、富士ヒルクライムレース、大台ケ原、乗鞍、六甲山でのロングクライムコースでのタイム更新は狙えそうです。
フレーム全体も、ごつ過ぎず、細すぎない絶妙なバランスが特徴的といえます。
2.ダンシング
(休めるダンシング)
まず、上半身をやや起こし気味で登る、休めるダンシングをして走ってみます。
約300W程のパワーで登ってみましたが、踏み込んだパワー以上に車体がグイッと伸び、フロント周りの軸ブレを感じずとても軽快に速く登れます。
これまでのEMONDA(エモンダ)で休めるダンシングをすると、高ケイデンスだとスピードが伸びにくく、トルクをかけて踏むイメージが強く、一気に脚の消耗を感じる場面が多々ありました。
対して今回のMADONE(マドン)Gen8は、高ケイデンスでもしなりを活かして軽快に伸びますので、大腿四頭筋の疲労を多少軽減し、引き足でのスピードの伸びが向上しました。
休めるダンシングでも速く走れるのは、ヒルクライマーにとっては大変嬉しいポイントではないかと思います。
休めるダンシングで軽快に走る事が出来ると、レースはもちろん六甲山や大台ケ原と言ったロングクライムコースで大きなアドバンテージを得られるのは間違いありません。
正に過去最強のヒルクライムバイクと言っても良いでしょう。
(パワーを掛けるダンシング)
まずは操作性に関してですが、過去に乗ってきたロードバイクと比べて、車体のコントロールがとてもしやすくなりました。
軽量バイクの特性でもある、車体のヨレを体幹部で修正しながら登るといった事が無く、ダンシング時の姿勢維持がとても楽ですので、急勾配の坂道での安定感が大きく向上した印象です。
またダンシングでの走りに関しましてはシッティング時と同様に、EMONDA(エモンダ)の鋭い加速にMADONE(マドン)Gen7のグイグイと伸びる感覚が合わさった印象です。
踏み込んだパワー(350w)に対しての前へ前へと進む割合が、従来のEMONDA(エモンダ)よりも明らかに高い印象です。
EMONDA(エモンダ)は重いギアで高トルクで踏み込むより、軽いギアで高ケイデンスで回す方が前に進みました。
対してMADONE(マドン)Gen8は、多少の重いギアでも失速感なく伸びてくれます。これは今までのバイクにはない新感覚で、私自身購入したいと思えるポイントとなりました。
恐らく、OCLV800から新素材のOCLV900カーボンの変更による効果だと思います。
よって踏み込んだパワーに対し、車体が軽やかにしなってグイっと進み、やや小振りのダンシングでもバイクコントロールがしやすく、タイムラグを少なくしてテンポよく速く登ることが出来ます。
またフレームの伸びる特性が向上すると、その分無駄に踏み込む必要性が無くなり、パワーを後半に備えて温存する事が可能になります。
よって、レースシーンでのベスト更新は勿論、登りが苦手な方でもパワーを温存して快適に登って頂けます。
登りにおいては、正直デメリットは無いと言えるくらい完成度の高いフレームです。
【下り】
従来のEMONDA(エモンダ)と比較して、直進安定性が向上した印象です。
実際に時速45㎞の速度域まで試しましたが、走行中の正面や斜め風によるふらつき感が従来のモデルよりも少なく感じました。
フレーム造形の改良と、更なる空力に特化した形状に改良された効果を感じます。
続いて、MADONE(マドン)SLR Gen7と比べてみての感想です。
時速40㎞の速度域までは、Gen8、Gen7変わらず安定感はほぼ同じでしたが、40㎞を超えてからはややBB周りからのふらつきが目立ち、かなりの高トルクで踏まないと中々軽快に伸びてくれない印象でした。
前作のGen7は、この速度域から更に安定感が増してグイグイと伸び、それ程踏まなくても車体がグイーっと進んでくれていました。正にレースバイクそのものといった印象です。
しかしこれはあくまでハイパフォーマンスでのお話ですので、グループライドやロングライドでのシチュエーションにおいて、Gen8はとてもバランスの取れた走りとなっています。
続いては、コーナリングです。
まずは時速36㎞で実験。
従来のEMONDA(エモンダ)は斜め横風が苦手な印象でしたので、特に風が強いシチュエーションでのコーナリングで、大きく外側に膨らんだりフラついてしまうといった事がよくあり、ややコントロールが難しいといった印象でした。
実際にオーナー様からも同じご意見を頂いたこともありました。
対してMADONE(マドン)Gen8は、風向きにとらえられる事なく、狙ったライン通りで正確に曲がる事が出来ます。
斜め風での空気抵抗も考えられて誕生しましたので、その成果を肌で感じる事が出来ました。
EMONDA(エモンダ)からのお乗り換えをご検討中の方は、明らかにコーナリングの安心感は別格だと感じて頂けると思います。
続いては、MADONE(マドン)Gen7との比較です。
コーナリングに関しては、Gen8、Gen7ともに安定感があり、地面に這いつくばるかのようにしっかりと曲がります。
しかし時速40㎞以上の高速スピードでのコーナリングは、Gen8はやや膨らみがちになり、スピードに合わせて傾ける角度を調節して曲がる必要があります。この点は、軽量フレーム全体に言える課題だと個人的に考えております。
結果、高速スピードでのコーナリングに関しましては、エアロフレームのGen7にやや軍配が上がりますが、サイクリングのシチュエーションにおいての走りに関しては、Gen7の走行性能をしっかりと受け継いでいると実感できます。
【平坦】
ペダル入力に対しての初速が、軽快さと伸びが合わさった様な究極の加速力です。
時速30㎞に到達するのが、EMONDA(エモンダ)以上に速くなった印象です。
これはMADONE(マドン)Gen7のグイグイ伸びる技術がEMONDA(エモンダ)に合わさったことによる、このバイクでしか感じる事の出来ない走りです。
漕ぎ出しの加速力はとにかく軽快で思わず声が出る程で病みつきになります。
初速に関しましては、Gen7を大きく上回ります。
続いて見渡しの良い平坦で、4本ほどスプリントをしてみました。
スプリントに切り替えた際のパワー伝達時のタイムラグが少なく、しっかりと反応してくれてとても振りやすいのが好印象です。
またスプリント時での姿勢維持がEMONDA(エモンダ)やMADONE(マドン)Gen7よりもしやすく、一定の高パワーで耐えるシチュエーションに関しましては、Gen8はかなり優秀だと思います。
スプリントでの速さは?と聞かれると、中速域から高速域まで到達する速さはややGen7の方が優秀と感じましたが、ただスプリント時での瞬時に駆け出す反応の鋭さや、バイクの振りやすさはGen8に軍配が上がります。
実際のロードレースシーンでは、こちらの方が優位になることもシチュエーションによっては多いでしょう。
また乗れる機会がありましたら、次は思いっきりもモガいてみようと思います。
【総括】
MADONE(マドン)SLR Gen8は、あらゆるシチュエーションにおいて、究極のバランスの取れた走りを備えた、ライダーのスキルを問わないオールラウンドフレームでした。
対して私の現在所有しているMADONE(マドン)SLR Gen7は、加速性能、平坦、下り、カーブのシチュエーションにおいて、速く走る事を考えられたレースバイクと言った印象です。
乗っているからこそ分かる弱点としては、登りに関しまして勾配が8~10%の以上になると上半身に疲れを感じるタイミングが早く、乗り手の脚力次第で走りのパフォーマンスが左右されるバイクでした。
対して今回のGen8は、EMONDA(エモンダ)を上回る機敏性により登りでのアドバンテージが高く、さらにMADONE(マドン)Gen7の平坦での直進安定性とコーナリング性能を併せ持つ事によって生まれた、バランスに優れた新世代フレームと言えます。
登り、平地、下り、ロングライドでの走りに対して、究極の走りを1台で実現できるのは、Gen8の特権だと思います。
Gen8は、初心者から上級者の方までの幅広い層のお客様に最高のバイクと言っていただけるとではないかと思います。本当にバランスの取れたモデルです。
今回のインプレッションは、あくまで私の感想です。ご検討中のお客様の参考にして頂ければ幸いです。
また実際に直接感想を聞いてみたい方は、我々スタッフにお気軽にご相談くださいませ!
MADONE(マドン)第8世代は、これまでのエモンダが担ってきたミドルグレードも、エモンダに代わりラインナップされます。
MADONE(マドン) SL5、SL6、SL7と3つのグレードがラインナップされます。
MADONE SL5 Gen8
¥449,000-(税込)
カラー:Matte Deep Smoke
MADONE SL5 Gen8
¥449,000-(税込)
カラー:Hex Blue
MADONE SL5 Gen8
¥449,000-(税込)
カラー:Gloss Crystal White/Matte Deep Smoke
MADONE SL6 Gen8
¥720,000-(税込)
カラー:Matte Dark Web
MADONE SL6 Gen8
¥720,000-(税込)
カラー:White Prismatic
MADONE SL6 Gen8
¥720,000-(税込)
カラー:Crimson
MADONE SL7 Gen8
¥950,000-(税込)
カラー:Dark Star
さらにカラーオーダーProjectOneでもオーダー可能となっています!
シミュレーションサイトはこちら→TREK ProjectOne
気になる方はぜひスタッフまでご質問下さいね!
日頃のサイクリングの様子はもちろん、年間1万キロ走るからこそわかる直感的なインプレッションもお伝えします。