超軽量アルミロードバイクシリーズEMONDA ALR。
その中で今日ご紹介するのはEMONDA ALR”6”です。
初めての一台で選ばれる事の多いALRですが、実は玄人人気も高いのが特徴。
特にこのALR”6”はパーツ構成も充実、長年ロードバイクに親しんできた方も唸る仕上がりです。
※写真はクリックで拡大します
EMONDA ALR6
フレーム : Alpha 300シリーズ アルミニウム
コンポーネント : シマノ ULTEGRA(アルテグラ)
価格 : ¥230,556-(税別)
※フレームセットでの販売予定もあります。(価格未定)
コンポーネントにSHIMANO 105 を使用した兄弟車種、EMONDA ALR5 はこちら。
【Matte Dnister Black】
マットブラックにグロスブラックのロゴを重ねた高級感の漂う仕上がり。ALRの特徴でもあるスムースな溶接とあいまって、カーボンフレームのようにも見えます。陰影がグラデーションのように表れ、立体感が綺麗です。最軽量アルミフレームらしい、堂々とした存在感がありますね。
ここからは性能のお話を。詳細は後述しますが、大きな3つの特徴があります。
それは、EMONDA ALR が玄人の方にも認められる理由でもあります。
1、妥協しないフレーム設計
もちろん最大の特徴は「超」がつくほどの軽さなのですが、その軽さを実現するための工夫がすごい!執念を感じるほどに、余計な部分をそぎ落としています。
※EMONDAは、フランス語の「そぎ落とす」という意味の単語から名づけられています。
2、こだわりのフロントフォーク
見えないところまで手を抜かない、ハイグレードなカーボンフォークを使用しています。
3、充実のパーツアッセンブル
EMONDAシリーズ全般で言えることですが、通常コストダウンの図られることの多い細かいパーツまで、きっちりと手を抜かずに揃えられています。
【妥協しないフレーム設計】※以下の写真は、同フレームを使用するALR5です。
まずは最も基本的な素材について。alpha300と名づけらた、TREKが誇る、最軽量アルミフレームです。
外側からは分からないのですが、フレーム内部でアルミの肉厚を微妙にコントロールして成型しています。成型そのものも高い技術力が必要ですが、それだけでは足りません。設計が優れているからこそ、この軽さが実現しています。
フレームのどの部分にどんな方向の応力が働くのか、それが詳細に計算できなければ、ここまでの「そぎ落とし」もできません。先進的な応力解析ソフトから開発しているTREKだからこそ、実現可能な設計です。
続いてはココ、溶接部です。
インビジブル・ウェルド・テクノロジーと呼ばれています。名前はさておき、つまり最小限の材料で、強度を犠牲にせずに溶接する技術です。重量が軽いだけではありません。一般的なアルミフレームのように溶接部が盛り上がることがなく、見た目も滑らかで美しいですね。
エンジニアの執念を感じるのはここから、細かい点にはなりますが・・・
フロントの変速機の取り付け台座部分、ほとんどのアルミフレームは左の写真のようになっています。右はALRシリーズ。
少し分かりづらいのですが・・・
何が違うかというと、一般的には変速機をフレームに巻きつけるように「バンド止め」しているのに対し、ALRはネジ・リベットで「直付け」しています。「バンド止め」はアルミパイプに強度が必要なため、肉厚にせざるおえません。「直付け」の方が、わずかながら軽量化できるというわけです。
ブレーキなどのケーブル類がフレームの外側を通るのも、軽さのため。最近流行のフレーム内蔵ケーブルも、重量という点ではほんの僅かに不利になります。
※フレームの材質、設計によってはこの限りではありません。
これは、後ろブレーキを取り付けてある「ブリッジ」部分。裏から見ると肉抜き加工されています。通常のアルミフレームでは見られない加工ですね。
このように、材質、解析・応力計算、溶接技術に加え、僅かな軽量化に対する執念の設計がこのフレームを実現しています。
【こだわりのフロントフォーク】
前輪を支えるこの部材、実は乗り心地や軽さ、ハンドリング性質に大きく影響します。
ALRに使われているフロントフォーク、実はフルカーボンロードバイク、EMONDA SLと同じものを使用しています。本体がカーボン製なのはもちろん、コラムと言われるハンドルまで繋がるパイプ部分もカーボンで作られています。
分解しないと分かりませんが・・・・
写真左は一般的なアルミコラム、右がALRのカーボンコラム
これにより大幅な軽量化がなされます。さらに、ハンドルに伝わる振動も見えないところでかなり軽減されるため、乗り心地も大幅に向上します。
通常だとフルカーボンバイクで採用される仕様ですが、すごく贅沢ですね・・・
【充実のパーツアッセンブル】
EMONDA ALR6 のコンポーネント(変速機やブレーキなど、パーツ一式のセットのこと)は、SHIMANOの「ULTEGRA(アルテグラ)」を使用しています。アルテグラは、最高峰の「デュラエース」に次ぐセカンドグレード。ハイエンドモデルの操作感はほとんど変えずにコストを抑えています。
玄人好みのコンポーネントで重量も軽く、EMONDA ALRのフレームに相応しいアッセンブルです。
でも本題はここから。アルテグラグレードを使用するバイクは数多くあります。しかし実はカタログに「ULTGRA」仕様と記載していても、全てのパーツにULTEGRAを使っているとは限りません。多くのロードバイクでは製造コストを抑えるため、一部パーツでダウングレードの部品を混ぜて組み上げられています。でも・・・
EMONDAシリーズは実際に全てのパーツに同一グレードを使用しています。
STIレバーや変速機本体はもちろん、
前後のブレーキも、
カセットスプロケットやチェーンまで同一グレードで揃えています。
目立たない部品まで手を抜かない辺りが、
玄人にも受け入れられるTREKらしさです。
大きな特徴は以上の3点ですが、もう一つ、ALR”6”のおすすめポイントがあります。それは、ここ。
カーボンのシートポストが採用されています。サドルを支えるパーツなので、ここにカーボンがカーボンだとサドルに伝わる振動が大幅に軽減されます。ALRはアルミフレームとしてはすごく穏やかな乗り心地ですが、カーボンシートポストでさらにマイルドになりますね。アルミバイクの定番カスタムが、最初からひっそりと採用されていることに好感が持てますよね!
【まとめ】
いかがでしたか?EMONDA ALRの良さは、使用されている変速機・ブレーキ類、サドル、オプションアイテムの拡張性など、様々ありますが、今回は特徴を絞ってご説明しました。
完成車のままでも十分に軽量で、初めての方に人気の車種です。でも、フレームに関しては「エントリーモデル」とは言えません。
それ程の潜在能力を秘めたバイクで、パーツの構成によっては重量6kg台も十分実現可能です。初めての1台でも、ずっと乗り続けられる高性能なフレーム。なによりこのフレームが大切です!カスタムの楽しみも教えてくれるお勧めバイクですよ!
この他、2017年モデルが続々と発表されています。こちらからご覧ください。
鈴木 恒