大森です。
今回は、冬場に行ったメンテナンス「オーバーホール」のご紹介です。
※現在は繁忙期の為オーバーホールの受け付けは一旦終了しており、変速機やブレーキ、ホイールなど各箇所ごとのメンテナンスとなります。ご参考までにご覧ください。
【オーバーホールとは?】
オーバーホールとは、簡単に言うと分解洗浄です。
プランにもよりますが、パーツ全てを取り外し、洗浄した後グリスアップをし再度組み付ける作業です。作業後はまるで新車のようにキレイに仕上がりますよ!
オーバーホールを行うと、愛車の寿命も延び、またスタッフが部品の摩耗や劣化の状態を把握できるので、より永くロードバイクを楽しむことが出来ると言えますね!
今回はオーバーホールの項目の中で、「フレーム洗浄・変速ブレーキ調整・各パーツのグリスアップ・ネジの締め付け調整」等の基本的なメンテナンス【スタンダード】の様子をご紹介します。
作業バイクは、TREK(トレック)のエアロロードバイク、Madone(マドン) SLRです。こちらのお客様は、トライアスロンをされており、年間約8000㎞走行されております。
まずは、作業前の状態です。お預かり当日までに簡単に洗浄して下さいましたので、見た目は綺麗な状態です。
フロントフォークの内側は、外観では分からない汚れが溜まりやすい箇所です。
ブレーキダストがフォーク内側やブレーキキャリパー全体にこびりついています。
シートポスト周りです。こちらも走行中の泥跳ねで汚れが目立ちやすい箇所です。
またボルト類は、泥跳ねによる汚れの蓄積により、固着しスムーズに回らなくなることがあります。これらのボルト類も一度取り外し、グリスアップを行います。
続いてはチェーンです。購入されてから約1年使用されていましたので、チェーンは完全に伸びておりました。
このまま使用してしまうと、ギアのかかりが悪くなっていくのは勿論、リアスプロケットとフロントチェーンリングが摩耗してしまう原因になってしまいます。
それでは作業を始めていきます!
トライアスロンをされているので、DHバーを装着されています。左右のパットに肘を置き、平地を前傾姿勢で走りますので、各ボルト類はどうしても汗にさらされます。
汗はボルト類を錆びさせてしまう最大の原因です。トライアスロンの場合海水もそうですね。
上記のボルト類を取り外し、グリスをたっぷり塗布し再度組み付けます。
オーナー様にフィットしたポジションで組み付けているので、分解する際は固定位置などもしっかりと確認しながら慎重に作業します。
下はブレーキパットです。
約8000㎞走行されていると感じない程、ブレーキパットの厚みは残っていましたが、低速でブレーキを握ると前後共「キーッ」と大きな音が鳴りました。これはパッドに染み込んだ油分などの汚れが原因です。
当然制動力の低下にも繋がりますので交換します。
油分の付着はメンテナンス中にオイルが飛んだり、また水溜まりを通過した際に、跳ね上げた水に油分が含まれている事が原因にもなります。
ディスクブレーキの特性上、停止する直前は「ギギッ」と音が鳴りますが、減速する際の軽いブレーキングでも「キーッ」っと甲高い音が鳴る場合は、パッドの表面を研磨したり交換したりする必要があります。
続いては、BB(ボトムブラケット)交換です。
取り外したBBのベアリングです。左のベアリングが茶色く錆びているのがお分かりでしょうか。
この錆びた状態で使用するとベアリング内部まで錆が浸透し、回転が渋くなり最終的にガタや異音の発生に繋がります。購入してから数年経過し、クランクを回すと明らかに回転が重いと思われた場合は、BBが錆びているかもしれないので、早めに交換するのがお勧めです。
(年数が経っていなくても雨天を何回も走っている場合、またはローラー台を使用される場合も錆びます。)
次に、フレーム(車体)の洗浄です。
洗車と聞くと水をバシャバシャかけていくイメージですが、出来るだけ水洗いは避け、泡状のクリーナーや霧状の洗浄剤を吹きかける方法がお勧めです。
今回使用したのは、WAKO`S(ワコーズ)のフォーミングマルチクリーナーです。その名の通りマルチに使える泡の洗浄剤です。塗装やゴム素材への攻撃性が低い為、フレームから細部のパーツまで気軽にお使い頂けるクリーナーです。
*フォーミングマルチクリーナーは店頭に販売しております。
走行中にフレームに付着した砂や汚れを隅々まで綺麗にしていきます。
仕上げはこちら、WAKO`S(ワコーズ)のバリアスコートです。
クリーナーでフレームに付着した汚れ除去の完了後、最後にコーティングを施行します。ちなみにこちらの商品も上記と同様、店頭販売しております。
塗装表面に専用コーティング剤(バリアスコート)を塗布する事で、より滑らかで美しい輝きを放ちます。このひと手間で微細なキズや汚れの付着も防げます!
完成しました!
まるで新車の様に綺麗になりました。
今回は「スタンダード」の項目ですので、変速機・ホイールの分解洗浄は行っておりませんが、フレーム洗浄・各グリスアップをするだけでも大きく変わりますね。
ピカピカになったロードバイク、それだけでも嬉しくなりますが、見えない箇所も綺麗になったと思うと、サイクリングもより軽やかに楽しくなりますよ!
ご覧頂いた通り、オーバーホールは作業工程がかなり多くなります。バラす作業は比較的早く済みますが、洗浄やグリスアップ作業は一つ一つ手作業となる為、かなり時間を要します。
複数台ご予約頂いている場合、直ぐの作業は大変難しいのが実情です。まずは一度作業時期をご相談頂けますと幸いです!
オーバーホールのメニューはこちらからご覧くださいね!
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※繁忙期は作業が立て込む為、緊急性の高い修理や部品交換から優先的に作業をお受けしております。ご了承ください。
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