先日オーバーホールをさせて頂いたのでその様子をご紹介します。
オーバーホールを行うタイミングは、走行距離やライドのコンディション、また日ごろのお手入れの差で大きく変わりますが、ざっくりと3年、または1万キロといったタイミングで行うケースが多いですね。
ただこれはあくまでも大まかな目安であり、日ごろから綺麗にされているバイクであれば、ベアリングやケーブルの交換といった摩耗パーツを重点的に点検や交換するだけで済む場合も往々にしてあります。
今回はご購入頂いて3年のバイク。ベアリングやケーブルを一度も交換していなかったので、まとめてオーバーホールという形で作業しました。
ロードバイクを完全にバラします。
フレームは比較的綺麗な状態です。洗浄後の写真ですが、こまめに掃除されているのが分かりますね。
小傷や擦れ傷はどうしても防げませんが、全体の”つや感”は日々のお手入れで大きく変わります。
まずは「和光ケミカルのマルチフォーミングクリーナー」で汗やドリンクのこぼれ、砂やほこりをふき取ります。雨天で汚れがひどい場合は水を優しく絞ったタオルで予め全体を流してから作業に取り掛かると作業がスムーズです。
ちなみに、自転車全体に水をかけるのはあまりお勧めしません。特に高圧ですとホイールやフレーム内部に入り込み、ベアリングといった回転箇所のグリスを落としてしまうリスクがあります。
フレームのお手入れの仕上げは「和光ケミカルのバリアスコート」。
こちらを上記のクリーナーとセットで定期的に使って頂く事で、フレームの綺麗な状態を維持できます。目安は月一回ほどですが、毎日乗る方は週一回以上行ってもよいかと思います。
今回フレームは比較的綺麗な状態でしたが、バラしていくとベアリングが錆びていました。汗が入ると錆びやすいのがベアリングです。ハンドル周りやBB(ボトムブラケット)は特に錆びやすい箇所ですので、夏場は要注意です。
上記で水をかけるのはあまりお勧めしないと説明しましたが、汗が大量に落ちている場合は水をかけて流してあげてあげましょう。
今回はオーバーホールですので、回転系の部品全てチェックしグリスアップや交換を行います。
コンポーネントも全て手洗いをします。
この作業、おそらく想像される以上に細かな箇所まで洗浄しています。取り付けるボルトのねじ山の砂や、アジャスター(調整ダイアル)に入り込んだ細かな砂まで綿棒やウエスを使用し磨き上げます。
洗浄後がこちらです。
小さな砂粒や油汚れひとつすら無く、ピッカピカに仕上がりました。
今回はタイヤやベアリングを交換しておりますので、トータル金額は6万5千円程です。
オーバーホールでは適材適所グリスや潤滑オイルを塗布し、しっかりと規定トルクで全体を仕上げます。工場である程度組み上げられた新車よりも、オーバーホールを行った後のバイクの方がパフォーマンスを引き出すといった点を見ると、より完璧に近いと言っても過言ではないかもしれません。
1月2月の閑散期であれば1~2週間でお渡し可能です。ただ3月に入ると例年通りではございますが一気に店内が込み合い、修理や点検、組み立て等で作業が飽和状態となります。オーバーホールも予約でどんどん埋まってしまいます。
気になる方はまずは一度ご相談頂けますと幸いです。
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日頃のサイクリングの様子はもちろん、年間2万キロ走るからこそわかる直感的なインプレッションもお伝えします。