スタッフ大森、第7世代MADONE(マドン) SLR ”登り”インプレッション! ~エアロロードと思えない登りの走行性能を体感~

スタッフ大森、第7世代MADONE(マドン) SLR ”登り”インプレッション! ~エアロロードと思えない登りの走行性能を体感~

2023-07-10T15:43:29+00:00 2023/07/10|ニュース|

大森です。

第7世代目となる新型MADONE(マドン) SLRを購入して約2,000㎞程、あらゆる場面を走行してきましたので、実際に感じたことをインプレッションしてみたいと思います。

また私は第6世代のMADONE(マドン)も所有しておりますので、新旧の比較も合わせてご参考頂ければ幸いです。

第二回目は「登り」です。

※今回のインプレッションは、あくまで個人的な感覚や感想も多く含まれます。イメージとして捉えて頂けると幸いです。


 

平坦のインプレッションは下記からご覧頂けます↓↓

7世代MADONE SLR 平坦インプレッション!~MADONE SLRの平坦の魅力をたっぷりご紹介!


 

それでは今回は登り編です。
第6世代のMADONE(マドン)までは、ある意味エアロロードらしい特徴ではありますが、登りよりも長時間の平坦路を楽に走れるフレームでした。

果たして第7世代、登坂性能はどのように進化したのでしょうか?

 

・勾配4~6%

まず第6世代のMADONE(マドン)ですが、どうしてもフレームの重量がネックとなり、ギア比に関係なく脚力でカバーしながら登る必要がありました。勾配4%程度の登りでも、軽量バイクであるEMONDA(エモンダ) SLRと比べると、明らかに脚の消耗を受ける印象です。

当然と言えば当然ですが、平坦路の高速維持に振った設計であることが分かります。

 

対して第7世代のMADONE(マドン)は、軽量化だけが影響しているわけではないと思いますが、脚への負荷が少なく、感覚的に言うと軽くグングン前へとスピードが伸びていってくれる印象です。

コツとしましては、この時ペダルを下死点まで踏み込まず、ハムストリングス(太もも裏)を意識してある程度の高ケイデンスで回します。
そうすると自然とスーッと軽やかに伸びてくれます

これまでのエアロロードは、高ケイデンスだとスピードが伸びにくく、トルクをかけて踏むイメージが強かったのですが、第7世代はその様な印象を覆してくれる軽い走りです。

 

続いて、同じ勾配(4~6%)であえてギアを2枚重くしてトルクを加えて走ってみました。

ケイデンスは落ちますがそれでも増したトルクのお陰で失速感は感じず、ひと漕ぎひと漕ぎしっかり伸びてくれます。

回転重視、もしくはトルク重視、どのような脚質のライダーでも優れた登坂性能を発揮してくれる点も、第7世代のMADONE(マドン)の特徴だと分かりました。

近い感覚としては、軽量ロードであるEMONDA(エモンダ) SLRを少しマイルドにした感じでしょうか。4~6%の勾配においては第7世代の不満点は浮かびません。本当に無駄のない素晴らしい走りです!

 

またこの時に感じたもう一つのポイントとして、フロント周りの安定感の高さがありました。第6世代よりも向上している印象が強く、登坂時にハンドルに加重してもしっかりと受け止めてくれます。

 

・勾配8~10%

この勾配をまずはシッティングで走ってみます。
第6世代はシッティングだと徐々に失速する印象が強く、ダンシングでカバーしてながら登っていました。

その影響で上半身に疲れを感じるタイミングが早く、登り区間が長いと、平坦路と比べると明らかに上半身と下半身の疲労蓄積が早く進んでいきます。

対して第7世代では、シッティングのままでも失速感が少なく、脚力次第ではまだまだシッティングを維持したまま登る事が出来ます。

またハンドルバーの形状の変更により、第6世代よりもブラケットポジションの維持が楽で、結果長時間登っていても上半身の疲労が少ないのも第7世代のポイントです。

 

続いて同じ勾配(8~10%)でシッティングから「休めるダンシング」に切り替えてみました。

EMONDA(エモンダ) SLRの様なキレのある軽やかな伸びは感じませんでしたが、踏み込んだパワーに対し素直に車体が進むので、バイクコントロールがしやすくテンポよく登ることが出来ます。

急勾配すらも得意、とまではさすがに言い過ぎになりますが、これまでのエアロロードの印象を覆しているのは明確です。

 

また第6世代のMADONE(マドン)は、エアロロード特有のハンドルを左右に大きく振りながら高トルクで踏み込まないと進みにくい印象でしたが、第7世代は小振りなダンシングでも楽に登ってくれます。

エアロロードバイクでも登りで失速感を感じない点は、第7世代特有の走行性能と言っても良いかもしれません。

 

最後、登り終盤。
山頂までの残り300メートルの区間を、休めるダンシングから上半身を寝かした攻めるダンシングに切り替えて全力で登ってみました。

第6世代は急勾配で全力で踏んだ際、最後はそれに比例するようにはスピードが伸びず、その分を上半身を振ってカバーしながらもがく必要があります。結果、ゴール寸前で力尽きる事がよくありました。

対して第7世代は、高トルクで踏むとそこから更に化ける様に加速し、登りにおいてもまだまだフレームの推進力を引き出せます。
そのお陰もあり、まだラストまで頑張ろう!という気持ちにもさせてくれます。

 

このラストで伸びてくれる感覚は、EMONDA(エモンダ) SLRとも共通しておりますが、特徴としましてEMONDA(エモンダ)は軽量性を活かした機敏でスイスイと伸びる加速です。
対して第7世代のMADONE(マドン)はグイグイ、もしくはじわじわと湧き上がって来る様な推進力です。

具体的には剛性の高いフレームを後方からしならせて前へ押し出すような加速です。


 

・勾配13~16%

これほどの勾配になると、第6世代と同様、かなりの高トルクでペダルに体重を乗せるイメージで登らないとキツイです。この勾配がエアロロードバイクでの限界ラインと言っても良いかもしれません。

やはり、軽量バイクEMONDA(エモンダ) SLRに軍配が上がります。

 

実はEMONDA(エモンダ) SLRも私は少し前まで所有しておりましたが、急こう配の登りのキレはEMONDA(エモンダ) SLRが圧倒的です。

※これはあくまでもタイムを求めて、ある程度高強度で登る場合です。一般的なサイクリングにおいては第7世代のMADONE(マドン)でもそつなくこなします。


 

いかがでしたか?
激坂の区間をタイムを求めて走るようなシチュエーションを除けば、第7世代のMADONE(マドン)でも軽快に楽々と登れます

「MADONE(マドン)が欲しいが登りが苦手だからEMONDA(エモンダ)にしようかな」とお考えの方は、第7世代のMADONE(マドン)は全然そんなことありません。是非選択肢の1つにして頂けたら幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございます。
次回は、最後下りでのインプレッションをご紹介します。公開まで楽しみにしていて下さいね!


 

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バイシクルカラー奈良登美ヶ丘店 店長代理
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