丹です。
先日、雪と雨の中を半日程走りバイクが砂まみれになってしまった為、このタイミングで各部消耗のチェックも兼ねて、ドライブ周りを重点的にメンテナンスしました!
どれも定期的に抑えておきたいメンテナンス内容です。皆様もご参考にしてください。
1) チェーンの摩耗チェック、交換
ピンが出たチェッカーを使用し伸びを確認します。
この様にチェーンに乗せて、
黒い部分を上から下に下げると、先ほどのピンが開いてチェーンの伸び具合を計測出来ます。
チェーンの摩耗は変速性能はもちろんギアの摩耗を早めてしまう為、0.5~0.75%表示で交換が推奨されています。
写真を見ると0.5を過ぎて0.75に差し掛かろうとしています。
交換が必要となってくる走行距離ですが、洗浄と注油を行って4,000km~4,500kmが目安です。
新しいチェーンは専用のオイルが塗布されていますが、汚れを最小限に抑えたいため一度完全に脱脂洗浄を行いました。
最近お気に入りのオイルはVipros(ヴィプロス)のRossa-no(ロッサーノ)。
注油した後、溶剤が揮発してチェーン表面には被膜だけが残ると言った画期的なチェーンオイル。圧倒的な防汚性が魅力です。
専用のプラボトルに入れて注していきます。
耐久性が300~350kmと少し短いため、沢山距離を走られる方は下のBlue-no(ブルーノ)がお勧めです。
2) フリーボディーのグリスアップ
前回のグリスアップから何キロ走ったか忘れてしまいましたが、おそらく5,000km程度かと思います。
分解してみるとグリスは残っているものの、酸化したり摩耗粉が混入したりで黒く劣化しています。劣化したグリスは回転を渋くさせ、ペダルを止めた際の失速に繋がります。
どんなに高価な部品も、メンテナンスあってこその性能です。
このハブのクリーニングは体感できる部分でもありますので、定期的にメンテナンスされることをお勧めします。
ラチェットEXP専用のグリスを使用します。低粘度高耐久の高価なグリスです。
ハブ構造はメーカーやモデルにより様々です。
目安ですが5,000km以上走っている方、もしくは2年以上経過している方は是非一度ご相談下さい。
3) カセットスプロケットの洗浄
私はチェーン洗浄する際、出来る限りカセットスプロケットも洗います。
専用の工具でバラしますが、さほど難しくありませんので、バイクを綺麗に保ちたい方にはお勧めです。
チェーンだけを綺麗に洗浄しても、カセットスプロケットやディレイラーのプーリーに汚れが残ったままだと、すぐにチェーンが汚れてしまいます。
洗浄剤はVipros(ヴィプロス)のGherkin α(グァーキンアルファ)を使用。
乳化型洗浄剤で完全脱脂で洗えますが、防錆剤は入っておりませんので洗浄後は完全に水分を飛ばしましょう。
4) クランクとBBの点検
雨天での走行はもちろん、汗により錆びてしまいやすいクランクシャフトとBBベアリング。
今回は6,000km程開けていませんでしたが、かなり綺麗な状態を保っていました。
これは雨天をほぼ走っていなかった事もありますが、セラミックスピード社のきわめて防水性の高い高精度な防水シールの恩恵もあります。
錆びていない事はもちろん、ベアリングのザラつきもなく、かなり綺麗な状態をキープしています。
ただ耐久性が高いとはいえ、取り付けが緩みやすい部分でもありますので、定期的にトルクチェックが必要な箇所です。
(セラミックベアリングを採用したセラミックスピード社やトライピークのBBは、締め付けトルクがそこまで高くない為定期的なチェックが必要です)
またTREKは2020年頃を境にBB90規格から、写真のねじ切りタイプT47に変更しています。
精度のバラつきを解消させ、さらに耐久性も格段に上がりました。
当時は軽量で画期的なBB90でしたが錆びやすい点がネックですので、BB90を採用したバイクはより小まめなチェックが必要です。
5) フレームのお手入れ
フレームの汚れを和光ケミカルのフォーミングマルチクリーナーで拭き取った後、最近はVipros(ヴィプロス)のGran(グラン)でコーティングしています。
これが中々の優れモノで、同メーカーのクリーンイノベーターと比べ、明らかにコーティング成分が多く含まれている事が分かります。(クリーンイノベーターはその分洗浄成分を含ませています)
このGran(グラン)は完全無溶剤で塗装を痛めないコーティング剤で、撥水性、防汚性はもちろん、塗装の劣化に繋がる紫外線からも守ってくれます。
コーティングした後、冬用グローブで持ち上げると手から滑り落ちてしまう程、表面がヌルヌルにコーティングされます。
いかがでしたか?
駆動部品の洗浄やグリスアップは、滑らかで静かな走行感に繋がる事はもちろん、バイクを長持ちさせ、またスピードの乗りにも直結します。
特に高価なロードバイクは、少しでも速く軽く性能高く設計されていますが、それはメンテナンスが行き届いてこその性能です。
メンテナンスも広い意味ではサイクリングの一つと言えるでしょう。
最初は少し難しく捉えてしまうかもしれませんが、まずはお客様のバイクを点検させて頂き、どんな環境下でどれくらいの距離乗られたかで、お勧めのメンテナンスをご提案させて頂きます!
ぜひご相談下さい!
日頃のサイクリングの様子はもちろん、年間1万キロ走るからこそわかる直感的なインプレッションもお伝えします。