原です。
先日発売されたばかりの新製品を早速試してみました。
こちら、スギノエンジニアリングのBB90対応セラミックベアリングです。
お値段税込16,200円!TREK純正ベアリングの3倍です。
写真では1つだけですが2個セットでこの価格です。
ちなみに、BBとは下の写真で指挿しているあたりのことで、
ここにクランクが回転するためのベアリングが装着されています。
現在ではBBの規格が乱立しメーカー独自仕様となっていることも多く、
例に漏れず私のMADONE9のBB90もTREKだけの規格です。
通常、BB90用に組み込まれているベアリングの材質はスチールです。
スチールに比べセラミックは回転時の摩擦が少なくまた軽量という点も特徴です。
つまり、セラミックベアリングを使用すればペダルを漕ぐ際に発生する
ベアリングの内部抵抗が軽減され、より少ない力でペダルを漕げます。
またはおなじ力でペダルを漕いだ場合、駆動部にはより大きなパワーを伝達できるのです。
つまり赤いザクに乗らなくてもこれがあれば3倍速く走れるようになりま…せん。
残念ながら工業製品の様に毎分何万回転という高回転ならまだしも、
ロードバイクのペダルの回転数は毎分およそ90~100程度です。
ですので、正直価格に見合うだけの走りは期待できないでしょう。
むしろ「俺のBBはセラミックや!」という「赤いザクはツノ付きや!」の様な気持ちが大事かもしれません。
実は今回、私がこのBBの気になった点はセラミックだからではありません。耐水・耐塵性です。
左がTREK純正、右がスギノセラミックBBです。
青丸の黒い部品が真っ直ぐで薄く切り立っているのに対し、
赤丸の部分は少し厚みがあるのがわかりますでしょうか?
この部分がフレームからつたう汗やドリンクの飲みこぼしなどを弾いてくれるようです。
私のPCスキルを最大限に活かし作成した下の図をご覧ください!
茶色の矢印は汗やドリンク等の水分です。
黒色の太い実線はプラスチックの蓋なのでここから水分が浸入することはありません。
1枚目が純正BB90。実際に隙間と言う隙間はほとんどありませんが、水が浸入する余地はごく僅かにあります。
その為、バイシクルカラーで組立てるバイクのBB90は必ず入念にグリスアップしています。
2枚目がスギノBB90です。ゴムの反しがついておりフレームとベアリングの隙間に水分が浸入するのを防ぎます。
そしてここまで読んで勘違いしないでいただきたいのは
TREK純正ベアリングがダメだと言いたいわけではないということです。
仮に、純正ベアリングを6ヵ月毎に交換した場合とセラミックベアリングを1年毎に交換するなら
純正ベアリングの方が安くつきまし、常に新品を使用している安心感もあります。
さらにこちらのベアリングの耐久性についてはまだ理屈だけで実際の効果は未確認です。
なのでまた夏が過ぎたくらいにBBを開けてみて検証結果をご報告したいと思います!
ちなみにスギノエンジニアリングは奈良県の企業です。
原一矢