先日の作業から。
お預かりしたバイクのオーバーホールに伴い、
分解後組み付けていたのですが、BB(ボトムブラケット)の
クランク取り付け軸の回転が、ある特定の箇所で渋くなっていました。
BB自体のガタや錆は発生していませんでしたので、
フレーム側の精度を高めるため、現在はあまり行わない作業を行いました。
これは、BBシェル内部のねじを切り直す作業です。
取り付けたシャフトは真っ直ぐフレームを貫通している必要が有ります。
真っ直ぐでないと、BBシャフトを曲げる力が働き、
回転に抵抗を与える原因となります。
同時にBBシェルのフェイスも整えます。
表面に塗装が乗り、左右の面で平行が出ません。
まずは表面塗装を浚います。
今回のBB規格では大きく影響が出る事は少ないですが、
小さな精度の積み重ねが、最終的なパーツ動作の差に繋がります。
精度はとても大切な要素です。
もちろん、フレームを削る訳ですから規定の削り幅が存在します。
再度BBパーツを取り付けると、綺麗にスムーズに回転します。
指で回すととても良く分かります。
ただ、もしかするとクランクとペダルと取り付け、チェーンを張り、
体重をかけてペダルを踏んだ時、この差は分からないかもしれません。
しかし、このような小さな精度の高さの積み重ねが、
最終的にパーツ部品や完成車になった時、完成度に大きく影響します。
類似した規格は、10年程前はロードバイクにも多く採用されており、
完成車を組み立てる際によく実施していました。
またこれと同様に、精度を高める作業がフレーム各所で存在します。
どこまで実施するかは、使用目的や費用で異なります。
今回は、明らかに回転部品が本来の性能を発揮出来ていなかったので、
作業を実施しました。
当店では、お客様の使用目的に応じ求められる作業、
その費用など分かりやすくお話させて頂きます。
今回はメンテナンス作業の話でしたが、バイクをご購入頂く際には
これらの技術も間接的に、ご提案の幅と深さに繋がると考えています。
バイシクルカラーは、専門性の高さと親しみやすさで、
自転車を通し価値ある時間をご提供出来ればと考えています。
今回は、ちょっと真面目なネタでした。