お客様のEMONDA(エモンダ) SL7に、SRAM(スラム)のコンポーネント一式を取り付けさせて頂きました!
現行の完成車(特にロードバイク)はほぼ全てSHIMANO(シマノ)が搭載されますが、世界最高カテゴリーであるワールドツアーを走るLidl TREK(リドルトレック)はSRAMが取り付けされています。
SRAMの変速は完全無線式を採用しており、煩わしい配線が全くありませんので組付けもシンプルそのもの。
ペアリング作業も簡単に行えます。
パワーメーターもSRAM傘下のQUARQ(クオーク)をお取り付け。現在はSRAMとして発売されています。
チェーンリングのデザインがカッコいいですね!
ちなみにフランスメーカーであるTIMEのペダルも今はSRAMの傘下。
全体的にまとまったチョイスですね!
チェーンはフラットトップと呼ばれる、SHIMANOユーザーにとっては見慣れない形状。
表面積を増やして、引っ張りに対する耐久性を向上させています。
ブレーキローターは前後とも140mm径をご選択。
使用感はSHIMANOよりも制動力が高く、レースシーンではなく普段の使用においても140mm径で不安はありません。ちなみにローターの厚みもSHIMANOより厚くなっています。
ブラケットの形状と変速方法がSHIMANOと大きく変わります。
リアをトップに変速させる場合は右のレバーを押し、リアをロー側に変速させる場合は左のレバーを押します。
フロントを変速させる場合は左右同時に押します。
それぞれに変速レバーは1つしかありませんので、慣れるととても楽で雑に操作しても押し間違える事がありません。
ビジュアルもSHIMANOと違いがあり、グラフィックがとてもかっこ良かったりしますね!
今回取り付けさせて頂いたのはセカンドグレードのForce(フォース)ですが、それでもDura-ace(デュラエース)並みの価格です!
コンポーネントの載せ替えは、実質オーバーホールの様な作業となります。
全てバラしてクリーニングしながら組付けます。
組付けの写真はあまり撮っていませんでしたが、こちらはオイル充填の様子。当然オイルから工具まで全てSHIMANOと異なります。
BBはTRi PEAK(トライピーク)のセラミックベアリングをインストール!
こちらのBBだけ、SHIMANO、SRAM、ROTORと互換を持たせて設計されています。
これまたちなみになんですが、Lidl TREK(リドルトレック)のチームバイクにもTRi PEAKの部品が使用されています。
TRi PEAKの公式SNSには、TRi PEAKのロックリング(ブレーキローターを固定する部品)を使用したTREKバイクや、ハブにTIi PEAKのステッカーが貼られたホイールが映っていました。
はたしてBBはどうなんでしょうか??気になりますね。
話が脱線しましたが、SRAMは専用のアプリで変速モードを拡張させる事が出来ます。
・シーケンシャルシフトモード
ギア比に応じて自動でフロントが変速します。まるでフロントシングルかの様なシンプルな変速操作が可能です。
・コンペンセイティングシフトモード
フロント変速時に発生する大きなギア比変化を補うように、リアが自動で1~2段変わります。
SHIMANO(シマノ) Di2にもシンクロモード、セミシンクロモードがありますので同じ様なイメージです。
気になるコンポーネントの使用感ですが、SHIMANO(シマノ)は精密繊細で滑らかな印象であるのに対して、SRAMは剛性感が高くガッチリとした操作感です。
変速の速さこそSHIMANOに軍配が上がりますが、SRAM特有の車のパドルシフトの様な変速操作は群を抜いて操作しやすく、その点だけでもSRAMを選ぶ価値はあります。
メカニックの視点から見ると、SRAMの方が合理的でシンプルに組付け作業が出来ます。
複雑な内容を細かい箇所まで詰めて設計された日本のSHIMANO(シマノ)に対して、ざっくりと合理的にまとめ上げたシンプルなアメリカブランドのSRAM(スラム)、と言った感じでしょうか。
コンポもそれぞれ個性があって面白いですね!コンポーネントの載せ替え、アップグレード等お気軽にご相談下さい!
日頃のサイクリングの様子はもちろん、年間1万キロ走るからこそわかる直感的なインプレッションもお伝えします。