長期にわたり使用されたホイールのオーバーホールです。
この場合、期間よりも走行距離や使用状況が目安になります。
リテーナーに収まったボールが見えます。
グリスの潤滑状態も良くありません。硬化し潤滑寿命を過ぎております。
フリーボディーを外した状態。
黒い変色は部品材料の摩耗粉です。
ハブの内部です。
この劣化状態で使用し続けると著しく摩耗を進行させ、ハブ軸の回転に抵抗を生みだします。
調整では本来持っている性能を発揮させることが出来ません。
まずは内部のクリーニングを行います。
部品単位まで分解し洗浄します。
この中で交換が必要な部品は交換します。
ハブを組み立てた後、今回はニップルを交換する必要がありました。
初期の組み立て時に添付するグリスが重要で、ここで緩み止めを多用してしまうと、
走行後の振れ取りといった調整に支障が出ます。さらに潤滑機能が低下すると一定の締めつけ量に対し、
スポークを同じテンションで組むことが難しくなります。
固まったニップルは交換します。
組み立てた後、スポークのたわみを調整します。
スポークには引っ張る力を掛けている為、長期の使用によりそのテンションが低下しています。
スポークの本数や太さ、ホイールの使用目的に応じ適正なたわみ量へ調整します。
同時にセンター、タテ、ヨコ振れをチェック、修正します。
その後馴染みを出し調整を行い完成です!
本日はあまり面白くないネタが長々と続きましたが、
いつもの自転車も、切り口を技術に替えてみるとまた違った世界が見えてきます。