本日、TREKのDomane(ドマーネ)に取り付けをさせて頂きました楕円チェーンリング「ROTOR」です。
今回はそのROTORについてではなく、作業工程についてです。通常クランク交換の内容は、クランクの着脱と変速調整となりますが、今回クランクを抜き取ると表面のグリスが錆の混ざった色に変色していました。チェックのためさらにベアリングも抜き取ってみると、カートリッジベアリングの外輪にうっすら錆を発見。表面を浚(さら)うとなんとか使用できそうですが、予防の意味も含め交換させていただくこととなりました。
了承を得ずベアリングを外しチェックを行いましたが、ご購入いただいたバイクの場合、この費用をお客様にご負担いただくことはありません。※そのほかのバイク場合は事前に確認を取らせていただきます。
ひとつのパーツ交換でもチェックしておきたい箇所はたくさんあります。トラブルを未然に防げるよう予防も含めくまなく観察しているのです。
ちなみにこのBBベアリング、汗や水を大量に使った洗車は錆の発生につながります。よくレースで見るような水を大量にかけた洗車は、しっかりばらしてグリスアップを行うか頻度の高い交換をしてしまいます。
カーボンのMadone(マドン)やDomane(ドマーネ)に採用されるBB90規格だと、我々一般の場合、晴れた日だけのライドでも5,000kmも走行すれば必ずベアリングチェックを行いましょう。週末必ず乗られる方で1年~1年ちょっとでしょうか。週末+平日も2~3日乗られる方は半年ほどです。※雨の日も数回走った場合はその約半分の距離・期間が目安です。意外と消耗品だったりするのです。
また今回は、取り外さないとチェック出来ない下の箇所も診てみました。Di2(電動変速システム)のバッテリーがBB(ボトムブラケット)下に取り付けられたタイプです。そのバッテリーの取り付けステーは、ボルトとナットでフレームを挟み込むような形で固定されています。このボルトとナットがいったん緩むと、外からボルトを締めても内部のナットと一緒に”クルクル”と共回りします。このようにばらした時にチェックを行い増し締めもします。
発生しやすい症状やトラブルは、TREKの販売台数が多いからこそ把握できる内容かと思います。専門店の強みでしょうか。今回は普段の仕事からその様なネタをアップしてみました。