大森です。
先日、TREK(トレック)最速エアロロードバイク、「MADONE(マドン)SLR」のマイナーチェンジが発表されました!
一体どのように進化を遂げたのでしょうか?
まずは「マドン」について簡単にご説明します↓
―MADONE とは―
マドンはトレックの中で、最も歴史のあるバイクです。そのため数多くのモデルが存在しますが、その中でも大きくフルモデルチェンジされたのが2015年。
「MADONE9」の誕生です。近年ロードレース界では主力バイクとなった、エアロロードへと変貌を遂げました。
2年前に登場した「MADONE SLR」は、ディスクブレーキを搭載しました。
そしてトレック独自の振動吸収システム「IsoSpeed」に改良を加え快適性も大幅に向上。究極のレーシングバイクとして生まれ変わりました。
またTREKのプロチーム「TREK Segafredo」所属のマッズ・ピーダスンがマドンで世界選手権(男子ロードエリート)を制したことは記憶に新しいですね。
とにかくただ一つ言える事は、マドンはトレックの軌跡であり、トレックの技術力を最も感じて頂けるバイクであるという事です。
☆マドンの歴史について詳しく知りたい方は、過去の記事をご参考下さい☆
ちょっとマニアック?だけでお奥深い!TREK「MADONE」の歴史。
それではマイナーチェンジを果たした新型MADONEについて解説いたします↓
―新型MADONE SLR―
フレーム形状は整流効果に優れる「KVF(カムテールヴァーチャルフォイル)」を採用。
マッシブなフレームが力強い走りを連想させますね。まさに唯一無二の存在と言えるでしょう!
ヘッドチューブは空気を切り裂くように薄く尖っています。
また従来と同じく、振動吸収性を高める「IsoSpeed」を搭載。調整式のためご自身の好みに合わせて、しなり具合を調整できます。
簡単にマドンのご説明しましたが、フレーム形状・調整式IsoSpeed・専用ハンドルバー等、従来モデルと全く同じですので、良くも悪くも見た目に大きな変化はありません。
一体何が進化したのか、続けて解説していきます↓
―改良点―
①新素材「OCLV800」の採用
「OCLV」はTREKが独自に開発した特殊カーボンです。業界トップクラスの品質と製造精度を誇っています。
その品質は、スペースシャトルに用いられるカーボンに匹敵することでも有名です。
また三菱・東レ・東邦等、様々なカーボンメーカーの製品を混合させ、フレームの部位ごとに使うカーボンの種類や繊維の向き・積層に至るまで、全ての項目を研究し尽くしています。
そんなOCLVカーボンが更なる進化を遂げました。
トレック史上最高傑作となる「OCLV800」の誕生です。
開発にはおよそ2年もの歳月を費やし、プロ選手からのフィードバック受け何度も協議を重ねました。
その結果、これまでトップグレードを担ってきた、700グレードよりも遥かに軽量かつ高い強度を実現。OCLV800はトレック史上、そして業界史上最高峰のカーボンであると断言できます。
②BB規格の変更
TREKはこれまで独自規格であるBB90を採用してきましたが、新型マドンには「T47」規格を導入。BB90の圧入式とは異なり「ねじ式」となったため、ある程度の重量増は否めないものの、メンテナンス性と耐久性が格段に向上しました。
―従来モデルよりも450gの軽量化が可能に―
先述した様に、OCLV 800カーボンを採用したことで、フレーム自体の軽量化が実現しました。また、新型EMONDAと共に発表されたホイールやハンドルバーをアッセンブルすることで、バイク全体で前作から450gもの軽量化を可能とします。
それでは、マドンを450g軽量化させるためのアイテム2点をご紹介します↓
①新型ホイール「AEOLUS RSL37」
こちらはボントレガーの新作ホイール「AEOLUS RSL37」です。このホイールのリムには、OCLV RSL カーボン製法という全く新しい技術を用いる事で、軽量性と強度を高いレベルで実現しました。
事実、これまで同社最軽量ホイールであった「AEOLUS XXX2」よりも55g軽量です。
また空力性能にも大変優れており、リムハイト37mmでありながら同社「AEOLUS XXX4(リムハイト47mm)」と同じエアロ効果を確保しています。
また回転部分のハブはホイール性能を最大限発揮させるため、ボントレガーが独自に開発したものをアッセンブル。
フリー部分は、DTswiss製の最新機構「RATCHET EXP」を採用。優れた駆動性能とメンテナンス性の高さが特徴です。
②新型ハンドル「AEOLUS RSL Handlebar」
こちらは新型EMONDA(エモンダ)の為に開発された製品です。
軽量化に重きを置いているため、ステムとバーは一体型となっています。重量はカタログ値で281g(ハンドル幅40㎝)と非常に軽量です。
また空力性能も確保するために、エアロ形状を採用。
上部は平べったい形状をしているので、真円のバーに比べ力を込めなくてもしっかり握る事が可能です。
そしてブレーキホースやケーブル類はバーの裏側を這わす構造となっています。そのため、従来の完全内装ハンドルよりもメンテナンス性が格段に向上しました。
―Project One に新色ICONが追加―
カラーオーダーシステム「Project One (プロジェクトワン)」でお選びいただけるペイント「ICON(アイコン)」に新色が追加されました!
①Artist Abstract
こちらはトレックのグラフィックデザイナーを務める、グレゴリー・ソーン氏による特別なペイントです。
ペンキやスプレーアートを彷彿とさせるデザインで、今までにないユニークでお洒落なデザインですね!!
②Palmarès
こちらもトレックのグラフィックデザイナー ミカ・モラン氏による特別なペイントです。
モラン氏は根っからのレーサーです。そのため彼は、トレックのレース史をバイクにペイントで表現したいと考えました。
彼曰くこのデザインは、トレックの名高い歴史を映し出し、無限の未来を表しているそうです。
このペイントテーマは、いつまでも後世に語り継がれる事でしょう!
いかがでしたか?
マイナーチェンジのため見た目に変化はありませんが、走りのパフォーマンスは大きく変わります。
今回のMadoneは素材がOCLV800カーボンに変更されたことにより、重量面が大きく変更されておりますので、平地でのスピードアップは勿論、登りはEmonda に負けないくらいの軽やかな走りが期待できそうです。
いわゆる最速のオールラウンダーロードバイクです。
私(大森)は、Madone SLRのOCLV700カーボン素材の車体に乗っていますが、重量がやや重いので、登りは正直きつく、ペダルに力をかなり加え、体全体で大きくハンドルを左右に振らないとなかなか加速してくれません。
上記のNEWモデルは、平地では今まで感じたことのない軽快な走りを体感でき、登りでは軽さを活かしてどんな急勾配のある坂道でも楽々と登る究極のエアロロードバイクとなっている事を期待したいですね。
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