今回はMADONE SLRのメンテナンスネタです。
ハイエンドモデルのご案内時に「MADONE SLRはこれまで簡単だったメンテナンスも、預かり期間が長期になってしまいます。」とよくお伝えするのですが、今回はその様なネタです。
作業内容はヘッドのベアリング交換。写真のベアリングもかなり錆びていますが、これらの原因はほとんどがローラー台による汗です。
静止したバイクの上で必死に漕げば、当然汗は顔の真下に落ちます。タオルを引いてもそれだけでは防げません。単なる水であればここまで錆びる事は少ないのですが、汗は数滴でもダイレクトに進入すると錆びの原因になります。
防ぐには幅広のテープやサランラップで完全養生する等して、その上にタオルを引きましょう。
さてベアリング交換ですが、ご覧の様にベアリングの輪の中にケーブル類が全て通っています。
このためベアリングを交換するにはこれらの配線を全て抜き取る必要があります。
ディスクブレーキの場合はホースをカットして、組み付け時には再度ブリーディング(エア抜き)作業が必要です。
またカットするとホースが1.5cm程短くなるので、ケーブルの長さにあまり余裕が生まれず、ホース自体全交換となるケースもあります。
今回はフロントのブレーキホースのみのカットで済みましたが、交換するベアリングによっては後輪のブレーキホースもカットする為、かなり大掛かりな作業となります。
またブレーキホースの長さが変るとフレーム内部でのホースのたわみが変り、段差を通過した際に内部で微かに音が鳴ったりします。
通常問題はありませんが、気になる場合にはよりシビアな工夫が必要です。
組付けは出来る限りの防錆処理を施します。
また今回ご依頼は頂いていませんが、気になったのがボトルホルダ付近の汗やドリンク。
ドリンクホルダ付近に付着したスポーツドリンクや汗をほったらかしにしてしまうと、電位差による塗装の剥離が生じます。
今回は数日お預かりの作業だったのでこちらも外して洗浄。
汗やドリンクはWAKO’Sのフォーミングマルチクリーナーできれいに落とせます。
この様に1台1台のメンテナンスには意外と手間と根気が必要です。
それに加え、コロナ禍での3密を避けた移動手段、また基礎的な健康作りの為にと、しばらく乗っていなかったスポーツバイクをメンテナンスされるお客様が増えています。
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