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ディスクブレーキのロードバイクってどうなの? 実際2年乗ったからこそ分かる内容を徹底解説!

ディスクブレーキのロードバイクってどうなの? 実際2年乗ったからこそ分かる内容を徹底解説!

2019-11-04T19:05:54+00:00 2019/10/19|サイクリング|

ディスクブレーキのロードバイクに乗り換えて2年が経ちました。見えてきたことをお伝えします。
下記はあくまでも私の乗り方での感想です。
※のんびりとしたサイクリングより中強度(稀に高強度)のサイクリング。シーズンによってはトライアスロンの練習。

 

・突然の雨でも全く心配がない。

リムブレーキの場合(特にカーボンホイール)、雨に当たると初期の握りにおいてブレーキ性能が著しく低下し、かなり怖い思いをします。
一方ディスクブレーキの場合、初めの握り込みにおいて若干は低下を感じるものの、不安を感じさせるものでは全くありません。土砂降りの雨で視界が悪く、さらに手がかじかんだ状態でもブレーキだけはしっかり効いてくれます。その事でライドに集中できますし、何より安全です。

 

・ブレーキの基本性能の向上。

停止したい場所でストレスなく安全に止まれる。また比較的少ない力で制動をコントロール出来る為、無理に握力を使う必要がなくなり、腕の力が抜けてより安全に峠を下れるます。
例えば十三峠の下りでは、下ハンドルを持ってブレーキレバーを握力で強く握らなくても、上ハンドルのポジションのまま十分な制動力を得られます。経験が浅い場合、上ハンドルのポジションであれば視界を広く保て、また万が一の危険回避が行い易いと言ったメリットもあります。

 

【中~上級編】
・コーナーにおいては高いブレーキ性能を駆使する事でより効率よく走れる。

指を引く程度の少ない力でしっかり制動が働くことは、感覚的にブレーキを掛け始めるポイントがコーナーにより近い位置で可能です。コーナー通過時はリアブレーキを若干引きずり、車体を安定させつつスピードをコントロールする事が出来ます。これはリアブレーキの特性を活かした積極的な使い方ですね。

当然コーナーの大きさや、勾配、またコーナーが連続する場合などシチュエーションは様々ですので、コーナー進入時にフロントブレーキも残す場合も往々にあります。

これらはオートバイで峠やサーキットを走った事がある方は一般的なライディング技術かと思います。

ディスクブレーキは握力に頼る必要が無い為、前後のブレーキの役割、車体の挙動、安全性などをより意識して走る事が出来ます。乗り物としての走行性能向上が実現されている為、ブレーキにおいてもより高いレベルへアップデート出来ます。
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・28c以上のタイヤで6気圧台がお勧め。

コーナーリングの性能が底上げされた分、相対的にタイヤのグリップが重要になります。
25cでしかも空気圧が高くタイヤが固い場合、タイヤが路面の細かな凹凸を追従し切れずグリップ低下に繋がります。ロングライドやサイクリングでは尚更28cや32cがお勧めです。当然ホイールもワイドリムでないとタイヤは膨らんでくれません。
また個人的な感想ですが、空気圧が高いと路面の凹凸でタイヤが跳ねてグリップが低下し、結果スピード減退に繋がります。
これは登りのダンシングでは顕著ですが、平地においてもある程度のパワーで漕いでいる際は大きく影響します。

 

・スルーアクスルによりダイレクト感が増す一方振動もダイレクト。

これは乗り換えた時からの明確な感想ですが、やはりどの車種でリムブレーキ、ディスクブレーキと乗り比べすると明らかです。
だからこそワイドリムのホイールにタイヤは28cや32cがお勧めであり、またMadoneやDomaneに採用されるIso Speedはとても効果的です。
とは言えスルーアクスルは、ダンシングの際やコーナーの切り替えし、またターンの際などの加重をしっかり受け止めてくれる為、より接地感をつかみやすい印象です。バイクを倒したり振ったりする動きがより機敏に行い易く、かつ安心感も増します。
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・ディスクブレーキの注意点。

ケーブルが切れたりパッドがすり減ってブレーキレバーの握りが深くなるといった事が起こらない事は、とても優れている反面定期的にご自身やショップでのチェックが大切になります。
当然リムブレーキもチェックは必要ですが、万が一チェックを怠った場合はブレーキが極端に効きにくくなり、半ば強制的にショップへお持ち込みとなるケースが往々にあります。

ディスクブレーキのメリットである「パッドが減ってもブレーキレバーの”引きしろ”が変らない」事は大きな恩恵ではありますが、予備知識無しで購入してしまうと、ほったらかしになってしまうリスクがあります。
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・信頼性は?

ディスクブレーキ自体はマウンテンバイクを中心に約20年程の実績があります。当然マウンテンバイクとロードバイクでは規格が異なり(非互換)、全くの同一で考える事は出来ませんが、レバーやキャリパーの仕組み、パッドやローターの基本素材、オイルの規格は同一となります。その辺りを聞くと安心感は増すのではないでしょうか。

また正直10年以上前はオイル漏れやエア噛みなど注意点が多々ありましたが、昨今のディスクブレーキ(特にシマノ)はとても扱い易くショップにとっても、ユーザーにとっても神経質になる点は極端に少なくなりました。

さらに付け加えるとすると、TREKのロードバイク完成車において100%採用される「SHIMANO(シマノ)」のディスクブレーキであれば、万が一不具合が発生した場合のレスポンスが早くとてもスムーズです。
また国内において販売数が多い事から、ショップでは多くの技術情報のフィードバックを受ける事が出来ています。

 

・気になる重量増は?

450~500g程増加しますが、ロードバイクの運動性能においてどの位置における重量増であるかで答えは変わります。当然ホイールの外周部(リムやタイヤ)が500g増加すると加速時に分かります。またサドルが500g増加するとこれも気になります。
しかしホイールの中心部分の増加は、加速や巡行においてあからさまに体感できるほどの増加に値しません。
むしろスポークの編み方やリムの設計、剛性も変化しますので、場合によってはより加速性能が優れると期待できます。

 

・気になるリムブレーキorディスクブレーキ。

 

街乗りや気軽に楽しむサイクリングであれば、リムブレーキでも困る事や不安になる事はありません。価格も抑える事が出来る為、気分転換にサイクリングを楽しみたい!その様な方はひとまずリムブレーキのロードバイクから初めてみるのもアリだと思います。
またご自身で全てのメンテナンスされる場合、ディスクブレーキの場合はブリーディングキットと呼ばれるオイル充填&エア抜きの為の工具が必要です。
メンテナンスを行うに当たっては基本的な構造と動きを把握する必要がありますが、リムブレーキの場合ほぼ全ての動きが外からある程度理解できる為、ご自身でメンテを行い易いと言ったメリットは多少あるかと思います。

一方で極端かもしれませんが、予算的に問題なければ、おおよそ全ていにおいてディスクブレーキが良いと思います。
軽い力で掛けられる為安全で疲れにくく、またワイヤーが錆びたり切れる心配もない為、ブレーキ装置としてのメリットが沢山あります。軽いサイクリング以上のロングライドやヒルクライムになるとその恩恵は多大なものになります。

取り扱いの注意点についても、ちゃんとした専門店であれば購入時に予備知識として説明を受けられます。また今後はディスクブレーキがどんどん増加しますので、「購入した店舗でしかメンテナンスができないのだろうか?」といった不安も消えていくでしょう。

その他の選択基準としては、外観やフレーム素材との相性(デザイン面や乗り味の相性)等多岐にわたります。ただその辺りについては「ご自身のこだわり」になるかと思います。自分で考え試して辿り着く趣向になる為あえて触れません。

 

いかがでしたか?

色々と細かく書きましたが、なんだかんだ個人的な一番の特徴は「全天候において、少ない力で滑らかにしっかり効く!」です。
この「滑らかに」の正体はまた掘り下げて考えたいのですが、パッドやローターといった材質、また油圧式ディスクの特徴であるパスカルの原理といった力学的な要素など、私の知識では捉えきれない部分かと思うので止めておくことにします。

ロードバイクはスピードの出る機材ですから、「しっかり安全にスムーズに止まる性能」は必然的に求められます。モータースポーツが好きな方は周知のとおりですね。

これは乗り手にとっても、乗り物にとっても、求められて然るべき進歩なのではないかと思います。
あくまでもその点を踏まえて上で、自分の趣味として自分には何が必要かじっくり考えて選ぶ事が大切なのではないでしょうか。

今後のロードバイク選びの参考にして頂ければ幸いです。